桃山時代に京都を模して整備されたという高山市は、江戸時代になると天領として栄えました。
飛騨高山城主2代の嫡男 金森 重近は、宗和流茶道の祖と言われています。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-1.jpg)
宗和流茶道と室町時代に確立した本膳料理が融和して生まれたと伝えられる、飛騨最高の饗応料理「宗和和流本膳」。
創業した江戸時代より、この「宗和和流本膳」を守り続けてきたのが、今回お邪魔する「料亭 洲さき」です。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-2.jpg)
高山陣屋より宮川を渡った東岸に、堂々と構える美しい出格子の建物。
1794年創業、岐阜県最古の料亭としても有名ですね。
格式の高さにドキドキしつつ、勇気をもって店内へ。
料亭 洲さき|高山
店内の様子
高山市有形文化財にも指定されている端正な店構え。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-3.jpg)
思わず見上げてしまう勇壮な吹き抜け。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-4.jpg)
伝統的な軸組工法による建築様式は、創業当時のまま。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-5.jpg)
何気なく動かした視線の先も…絵になります!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-6.jpg)
靴を脱ぎ、2階へ。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-7.jpg)
木製サッシの向こうで、陽光に輝く青紅葉。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-8.jpg)
あでやかな鯉が悠々と泳ぐ姿を眺め、ほっこり。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-9.jpg)
格式の高さよりも、もっとリラックスした雰囲気。この心地よさが、宗和流のおもてなしなのかな?
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-10.jpg)
個室に入る前に、手の消毒。
開け放しつつプライバシーを確保する、贅沢な空間使いに、感嘆しつつ。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-11.jpg)
広々とした室内に配されたテーブルに…びっくり!
なんと天板が畳。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-12.jpg)
「お料理や飲み物をこぼしたら、染み込んじゃう!」と、ちょっとドギマギ。
「遠くから、よくお越しくださいました」とお店の方が出してくださったお茶を手に取る頃には、畳の優しい手触りにすっかり魅了されちゃいました。
おしぼりとマスクケースが美しくサーブされていきます。
うんうん!いい気分!どんなお料理が頂けるの、期待に胸が膨らみます。
メニュー
「本日の献立です」と置かれたメニューを開く。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-13.jpg)
達筆な文字と、種類の多さに圧巻!
「茶の湯の心をふまえた宗和流本膳の基本を守りつつ、今の時代に合うようにご準備させて頂くのが、『宗和流本膳崩』です。本来は30品あるお料理を11品に絞り込んでいます。昔の『宗和流本膳』は10時間以上かかるんですよ」と説明してくださいました。
…10時間以上?それは無理!
「昔の婚礼は、1日中宴会だった」というのは、そういうことなのかな?
「なによりも大切なことは、『おもてなしの心』です。今の時代、10時間以上は無理ですよね」と微笑みながら説明してくださったお店の方の雰囲気…ステキです。
お料理が始まる前ですが、充分癒された気持ちになりました。
ドリンクメニューもチェックしてみましょう。
清流が育む高山ならでは!豊富な地酒や、ビール各種。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-14.jpg)
日本酒好きさんなら、飲み比べも楽しいでしょうね。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-15.jpg)
白ワインやシャンパンも揃っています。
ノンアルコ―ルカクテルやジュースも充実。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-17.jpg)
ノンアルコールのスパークリングワインまで、ありましたよ。
いただきます!
お膳が運ばれてきましたよ!
お邪魔したのは8月下旬。お料理は季節のもが並ぶので、訪れる時期によってがらりと替わるようです。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-18.jpg)
中央はマヨネーズ?いえいえ。
白和えなんですよ!
自分で混ぜて頂くように説明がありました。
手前の抹茶羹、風味しっかりでおいしかったです。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-19.jpg)
お出汁のおいしい卵豆腐。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-20.jpg)
もっちり粟麩揚煮、しゃっきり蓮根絹衣など、食感の違いが楽しいです。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-21.jpg)
枝豆の香りが爽やか!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-22.jpg)
お次は…小平です。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-23.jpg)
玉蜀黍の揚げ物は、じゅわっとジューシー。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-24.jpg)
乙魚の甘露炊は、みんな大好き甘辛味!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-25.jpg)
大角豆の胡麻和え、南瓜の寒天寄せ、笹にカットされた冬瓜など、料理方法のバリエーションに驚くばかりです。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-26.jpg)
香りまでご馳走の鮎の塩焼き。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-27.jpg)
川魚なので、背が手前にサーブされるのですね。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-28.jpg)
さっくり!まるごと頂けます。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-29.jpg)
笹巻き寿司の中身は…
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-30.jpg)
飛騨牛!お米のもっちり感とレアな飛騨牛のコンビは、笑顔しかないですね。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-31.jpg)
お出汁を吸った大きな茄子。たかが茄子、されど茄子。
極上の茄子の煮びたしですたよ。
これは、『宗和流本膳崩』とは別オーダーの飛騨ステーキです。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-32.jpg)
シンプルな味付けで、素材の良さを楽しめます。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-33.jpg)
あぁ。とろける!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-34.jpg)
蕨粉団子とじゅんさいを土佐酢で、爽やかに頂きます。
かわいいお花のお茶碗!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-35.jpg)
つやつやのごはんで、締めますよ。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-36.jpg)
お味噌汁に、お茄子がたっぷり。
お腹も心も満腹です!
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-37.jpg)
梨と西瓜で、フィニッシュです。さっぱり!
最後の最後まで、手の込んだお料理が並びました。
丁寧な手仕事に、有難い限りです。
まとめ
頑なに守り続けてきた伝統と、時代に合わせた変化を積極的に受け入れる姿勢。
「あえてマニュアルを作らず、お客様の求めに応じて対応するようにしています」と話す着物姿のスタッフは、とても美しい。
![](https://itadaki.info/wp-content/uploads/2022/09/洲さき-39.jpg)
非日常を心地よく味わう、ステキな経験に感謝。
「また別の季節にお邪魔したいな」と素直に思いました。
お店の詳細
店 名:洲さき(すさき)
住 所:岐阜県高山市神明町4-14
駐車場:あり(数が少ないので注意!「木童」の角を北へ70m弱)
URL:詳細はこちら(公式サイト)